過去の僕達 1

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「福音の願い(閉塞)」 ある日 彼女は口を開き 僕に願ったんだ 見せて、と 僕のことなど分からない 何が僕なのか忘れてしまった こんな僕に望まないで こんな僕を見ないでくれ (*) どうか僕を見捨ててくれ いつもひとりでいいんだ 涙は枯れ、怒りも無い ただ虚しいだけの日々 もう、それでいい ある時 彼女は横に座り 僕に問いかけた あなたの願いは、と 愛して欲しい、傍にいて 分かってほしい、抱きしめて 自分にはできないのに そんなことは願えない (*) あるところ 彼女はただ見つめながら 僕に問いかける あなたの思いは、と どうか僕を見捨ててくれ いつもひとりでいい 涙は枯れ、怒りも無い ただ虚しいだけの日々 隣には、誰もいない ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 僕は空を仰ぎ見て ひそかに思う 綺麗だ、と 僕の記憶、世界の記憶 皆が笑ってくれれば良い 僕よりも皆が幸せに 僕はそうとしか生きられない どうか僕を見捨ててくれ いつも独りでいるから 涙は枯れ、怒りも無い ただ虚しいだけの日々 隣には、誰もいなくていい
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