過去の僕達 1

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「捌け口少年は笑う」 世界は残酷で汚ならしいけど 笑えばどこでだって生きていける 彼の名前は捌け口少年 みんなの苛立ちを受ける毎日に 捌け口少年は笑ってる 皆はそれを見て嘲笑う 捌け口少年の体は傷だらけ 打撲、切り傷、内出血 彼の体は悲鳴をあげても 彼の顔は笑っている # 彼は母の言葉を守る 「笑ってくれていれば幸せよ」 捌け口少年は涙を絶対に流さない 母が言ってくれたひとつの言葉 そんなときポストに一枚の手紙 内容は母の死亡と変革の触媒 彼の名前は捌け口少年 母がいない世界でも少年は笑う 死んでも幸せになっていてほしい 純粋な想いは彼を笑顔にさせる 変革した少年に人は群がる 打撲切り傷内出血 それは彼の周りにできはじめる 彼は顔は優しく笑うだけ # 捌け口少年は皆を支配する 皆が笑えば母はもっと幸せになるだろう 泣くのは母への冒涜で価値は無い 不幸にさせる人間など少年は淘汰する 捌け口少年の周りは皆が笑っている 泣くものなど何処にもいない 捌け口少年は笑うだけ 美しい幸せそうな世界
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