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「今度はちゃんと食事の事、断っておくから機嫌なおして?」
奈々ちゃんと行かないって言ってくれるの? あの、奈々ちゃんが納得してくれるかな? やっぱり不安で……
「本当に? もう行かないって、ちゃんと約束してくれるの?」
思わず言ってしまった。
「するよ、今回はちょっと押され気味で断り切れなかったけど、付き合ってる人いるから、行けないって言う……だから、泣かないで?」
「泣いてないもん」
強がりを口にしたら、
「泣きそうな顔してるけど?」
からかうような口ぶりに
「気のせいだと思う」
強がる私。
「俺の前なら泣いてもいいよ?」
溶けてしまいそうな甘いセリフに、
「ここは会社です、泣きません!」
必死に自分を保とうとしていた。
「真面目だな……実尋は……」
苦笑いのコージは、すごく優しい目をしていて、そっとコージの右手が私の後頭部に優しく触れ、
「あぁ~、早く帰って、2人っきりになりてぇ」
すねた子供のように呟いた。
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