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しかし、やっぱり、何も見えないし、誰もいない。
「鬼畜」にも、恐怖心が起きる。
瞬間、首筋に「冷気」を感じる。いや、それ以上に
倒れながら、激痛を感じる。
息を吸うのが苦しくなる。意識が朦朧となりながら、
「やはり、神の化身の透明人間は居るんだ」と
思いつつ、息を引きとる。
翌日、あの被害者の「幼女」の墓の周りを、
新種の美しい蝶・「TSF蝶」
(「タイム・スペース・フリー」)が舞っていた。
「透明人間の男」は、その墓のそばで、「見事に」
その身を「消していた」 !
富士の樹海で、「男」の肉体が発見されたのは、
その「不思議な犯人不在の事件」後、3年が経過していた。
富士の雄姿は、初冬の初雪にうっすらと覆われ、
日本の新年を、それまでの数千年と寸分も違わず、
「笑み」をこぼし、「今年も地上の平安を !」と
語りかけていた。
★ 「所詮、人間なんて、宇宙の存在にとり、限りなく
無に近い存在なんだ」と、どこからか「天の声」が
聞こえてきた。
(続)
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