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★ 第2話
あの「透明人間」は新種の美しい蝶・「TSF蝶」
(「タイム・スペース・フリー」)に変身してから、
時空間を超えて、世界中を飛び回り、
数年が経過した。
「TSF蝶」は今日もまた、大都会に近いこのゴルフ場の
芝の上を軽快に飛翔していた。
すると、4~5人の中年男性のゴルフ客たちのおしゃべりが
聞こえてきた。
「総理、それにしても、日本経済の低迷は、困ったものですね」
どうやら、永田町の内外で、暴言、失言を繰り返しても、
与党「独善党」の一人勝ちの国会運営を過信して、
反省の姿勢がない首相秘書官の様である。
「まー、国民みんなが幸せになるなんてことは無理なので、
大企業と公務員、あと我々与党が生き残れれば、
問題ないじゃないの」
と「にやけた」表情で、返事をして、パターを握っている
この男が、首相のようである。
数年前、持病が原因で、首相の座をほっぽり投げたあの
「好戦派」首相だった。
(続)
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