4 特訓with鋼

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 口調は、投げやり。 「……ホントに!?」  諦めかけていただけに、口調なんてどうでもいいと思えるくらい、心底嬉しい。  アタシは思わずコウくんの顔を覗き込みに行って……そして、反射的に身を引いた。  ちょっと…………何、その怖いカオ! 「体、揉んどけ。筋肉痛になっても動いてもらう」  …………内容は優しいのにな。  さすがにアタシも、もう、外見の(いか)つさだけでコウくんから逃げたりしない。けど……。 「着がえろ」  ぶっきらぼうに、コウくんは更衣室へと消えて行った。  その背中が険しくて。  もしかして……アタシの覚えの悪さに怒ってるのかな……?  でも、熱意があったって運動神経ばかりは、どうにもならない。  確かに教える側になってみれば、この上もなくがっかりした気持ちになるだろうけど……。  でも、 「……コウくん!  明日もよろしくお願いしますっ!」  更衣室にむかって声を張った。  弱音は吐かない。  稽古を続けていけば、きっといつか筋肉もつくし、ちゃんとした動きができるようにもなるはずだ。  そう、思うしか、今はない。  早くも痛みだした足をひきずりながら、アタシは寮へ帰る道すがら、頭の中で一生懸命今日の動きの復習をした。  生ぬるい風にため息をつき、明日はしっかり爪を切ってこよう、と思いながら。
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