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一回転して立ち上がり、後ろを振り返りつつホルスターからハンドガンを引き抜いて構える。
銃口のずいぶん先にバルーンのようなものを認め、しぎなは攻撃せずにその場に身を伏せた。
「がっ!」
「ぐぁっ!」
「ぐはっ!」
銃声と叫声が3発ずつ。
3人の男たちは順に膝からくずおれ、重なるようにしてどさりどさりと地に伏した。
ガラスが割れ散って外とつながった窓の向こう、夜空闇に浮かんでいたのは楕円形の物体。
BSA、バトルサポーティングアテンダントと呼ばれる戦闘補佐マシンだった。
それは空中を自在に飛び回り、2丁の機銃で敵を制圧する、遠隔操作式のドローンだ。
左右にのぞく銃口から硝煙をたなびかせつつ、しぎなのもとへと滑空してきた。
『礼はいらん』
BSAの操縦士から短い通信が入った。
しぎなは立ち上がってボディアーマーを確認する。
先ほどの銃撃で回避しきれなかったなまり玉を、2枚のプレートが防いでいた。
身体自体にダメージがないことを知って、しぎなはさらに奥へと急いだ。
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