・第1話〔1〕

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  一回転して立ち上がり、後ろを振り返りつつホルスターからハンドガンを引き抜いて構える。   銃口のずいぶん先にバルーンのようなものを認め、しぎなは攻撃せずにその場に身を伏せた。     「がっ!」     「ぐぁっ!」     「ぐはっ!」      銃声と叫声が3発ずつ。   3人の男たちは順に膝からくずおれ、重なるようにしてどさりどさりと地に伏した。    ガラスが割れ散って外とつながった窓の向こう、夜空闇に浮かんでいたのは楕円形の物体。   BSA、バトルサポーティングアテンダントと呼ばれる戦闘補佐マシンだった。   それは空中を自在に飛び回り、2丁の機銃で敵を制圧する、遠隔操作式のドローンだ。   左右にのぞく銃口から硝煙をたなびかせつつ、しぎなのもとへと滑空してきた。     『礼はいらん』      BSAの操縦士から短い通信が入った。   しぎなは立ち上がってボディアーマーを確認する。   先ほどの銃撃で回避しきれなかったなまり玉を、2枚のプレートが防いでいた。    身体自体にダメージがないことを知って、しぎなはさらに奥へと急いだ。  
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