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相当に危ない駆け引きを演じてしまったが、どうやら犯人グループ以外は無傷ということで片が付きそうだ。
「レコーディングストップ」
しぎなは今度は一度だけ両目を閉じてつぶやいた。
目を開けるとそれまで視界の左下に小さく表示されていた“REC”という赤い文字が消える。
これはつまり、これまでの自分自身の目を通して見たことを記録していたということだった。
ミッションを完了して、短く深呼吸をすませておく。
「よう、片付いたか」
ドアが開いて、しぎなと似たような装備のケイトが入ってきた。
「さっさと撤収しようぜ。
すぐにバッジ組が来る」
いつもはのんきなケイトが珍しく急かして来た。
直後、開いたままだったドアの向こうで何かが爆発した音が響く。
「な、なんだぁっ!?」
同僚が声を上げ、人質だった者たちも悲鳴を上げた。
通路からひとかたまりの煙が滑り込んできて、通信が入る。
『しぎな!
BSAがやられた!
テロリストはまだ1人いるぞ!』
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