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どうやら通路で待機していたBSAが、何者かの手によって破壊されたということらしい。
しぎなはケイトと見交わして、先ほど手離したハンドガンを拾い上げつつ現場へ向かった。
通路の曲がり角で、粉々に破裂したBSAの残骸が見つかる。
用心してたどり着き、周りを見回してみる。
「……!」
侵入してきたほうの大窓に、人影が見えた。
そいつはこちらを振り向くと、すぐさまそこを飛び降りる。
「おいっ……!」
呼び止める暇もないほどの出来事。
「どうした?
何かいたか?」
「人が落ちた。
いや、違うな」
あとから来たケイトに問いかけられて、しぎなは戸惑い勝ちに答えた。
答えながら、ハンドガンを手にしたまま駆け出していた。
「しぎな?」
その呼び掛けには応じず、しぎなは短い助走を経て、外とつながった窓から大きく飛び出した。
飛び出すとすぐに不審者の位置を特定できた。
そこはしぎながセクエンス本社ビルに侵入するために利用した裏向かいのビルの屋上。
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