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人口5000万人を擁する東奈市。
ガラス細工のようなデザインの高層ビルがいくつも立ち並び、それらの間を層に別れて車と人が縫い進む。
最下層の地上道路はマイカーと商業車が走る。
その上の2層目には歩行者用の高架道路が張り巡らされ、3層目はタクシーやバスなどの公共交通機関が走る空間。
4層目は緊急車両用、5層目には再び歩行者専用のキャットウォークが架されている。
かなりの間を空けて、6層目はスカイウェイという空中高速道路が設けられていた。
ただしそれも物理的な建造物ではなく、ただ空中に乗り物の通る空間を通路として設定しているだけのことだ。
重力制御機構“GCデバイス”を搭載したこの時代の乗り物が、走行中アスファルトの地面を必要としなかったために出来たことだった。
ちなみに地下には、浮揚式の地下鉄が縦横に伸びていたが、地上を走る電車は郊外に出向かなければ見られなかった。
全車自動運転導入を決めて日本の道路が右側通行に変わったのは、もう500年以上も前のことになる。
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