・第1話〔3〕

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  『街なかのレーダーカメラ、ほぼ全てに“ブリンクフィリング”というアプリがインストールされていました。 これがマルウェアだったみたいです。 つまり、カメラに少女の姿が映り込むと、それを“瞬きしている状態”と認識するように設定して、少女の姿を消去させていた、というわけなんです』     「へえ~、何だかすごいな。 けど、そんなことが本当に出来るのか?」     『ちょっとこれを見て下さい』      ケイトがしぎなのほうを向いて納得しきれない顔を見せると、とえりは用意していたらしい画像を3枚、2人の目の前に広げた。   夜景の中に、グレーパーカーをまとった少女らしき人物の“上半身のみ”が浮かぶ、一見すると心霊写真とも取れそうなキャプチャー画像だった。     「これは……!」      しぎなは思わず身を起こした。     『こういったやり方では、ごくごく稀に“ティアリング”という現象が起きてしまいます。 映像の加工処理が追いつかなくなって、2枚の画像が重なった状態で1つのコマが作成されるんです。 その結果、こんな風に“消去し損ねる”ことがあります』  
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