・第1話〔3〕

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   とえりは坦々と言ってみせたが、確かに画像の少女はあの夜、しぎながビルの屋上で対峙した人物だった。     「よく見つけたな。 間違いない、この子だ」      しぎなは若干驚き声で眼前の後輩に賛辞を送った。     『事件があった時間帯のセクエンスコーポ周辺のカメラ映像を、片っ端からのぞいてみたんです。 そうしたら、“サブリミナルガード”がこの3枚の画像を検知したってわけです』     「サブリミナルガード?」      今度はとえりとしぎなのやり取り。     『それもまた、コーダー用のアプリケーションです。 映像中に不自然に紛れた一瞬の画像を検出するものです』     「そうか、しかし現場周辺といっても相当な数の映像だっただろう」     『大したことはありません。 録画映像をチェックし始めてまだ70時間です。 調べれば、もっと出てくるかもしれませんから』     「休め。 俺たちがあの子を捕まえれば、その必要もなくなる」     『……分かりました。 では、あとのことはお任せします』      目の前に浮かぶウィンドウの中のとえりの顔は、通信用のCG、つまりアバターだ。  
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