・第1話〔3〕

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  派手な服装ではないものの、グレーのコットンシャツに都市迷彩のジーンズを汚したくないとでも彼は考えているのだろう。   これを見越したというわけでもないが、しぎなのほうは黒のポロシャツと黒のジーンズという出で立ちだった。    目的地には間もなく到着した。     『一旦、通話を切るわ。 すぐにカゲとイッサも向かわせるから、先に捜索始めてて。 もし何か見つけても、応援が行くまで、 “た・い・き”、よ、いいわね?』     「まかせとけって」      課長とケイトの会話で通信を終え、河川横のガレージに車が停止した。   車体がゆっくり下がって、車底に付いた4つの球形タイヤがアスファルトの地面に接地する。   2人は万一に備え、グローブボックスからハンドガンを取り出してそれぞれ持つことにした。    ドアを開けて車を降り、静かにドアを閉める。   頭上はマンション。   金網のフェンスに河川へ抜けられる出入り口が設けられている。     「さっきのはないだろ」     「ん? 何がだ?」      そこへ向かって歩き出してすぐ、ケイトが小言らしきものをふっかけてきた。  
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