・第1話〔3〕

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  ここから先は、テロリストの関係者と思しき少女が、潜伏している可能性のある場所。   たとえ、飛んでくる弾丸の衝撃をそらして、致命傷を避けるコーディングを筋肉に施していたとしても、油断をしてもいい理由にはならなかった。    やがて足元まで闇が満ちると、インナーコンピュータの機能の一つである“空間測定レーダー”をもとに、インナーディスプレイが見えない景色を描画した。   直後、真正面に浮遊する物体を見つける。     「BSA!」      すぐさま叫んで、危険を知らせるしぎな。   2人は左右に別れて飛びすさる。   ババババッ。   マシンガンの銃声が、耳にうるさく鳴り響く。   今の今まで立っていた場所のコンクリートが、敵弾を食らって砕けた。    敵の正体は、カブトガニのような形状のBSA。   その頭頂部にこちらをにらみ据える銃口が見える。     「手厚い……っ歓迎だな!」      左側に退避したケイトが、右手に持ったハンドガンを差し伸ばして発砲。   油断があったのかは知れないが、動きの鈍い敵機に2発のクラッシュ弾がクリーンヒットした。  
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