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機体が爆散して、炸裂音をとどろかせる。
爆煙が視界をかすかにかすませたが、残骸となって地に散らばったBSAは完全に機能を停止したらしい。
次の襲来を警戒して、その場でしばらく様子を見ていた2人だったが、今のところ2機目が現れる気配はないようだ。
「当たりだったようだな。
まさかBSAまで所有してたとは……」
ケイトが水路の奥をにらみつけながら言った。
「ケイト、気を付けろ。
こいつは見張りだ。
今ので俺たちのことは知られただろう」
「まあな、しかしこんなに簡単に居場所が割れるなんてな。
よっぽど透明人間に自信があったんじゃねーか?
それとも……」
“ワナか”、ケイトの推論を心の中で引き継いで、しぎなは用心深く歩き出した。
と、ナイトビジョンの連動アプリである“ノイズトレーサー”が、何かを検知して視界の中央に四角いマーカーを表示した。
「!?」
しぎなもケイトも、ほぼ同時に踏み出した足を止めた。
ノイズトレーサーは耳で捉える音情報の中から、人や動物が発する作為的なノイズのみを検出する機能。
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