・第1話〔3〕

14/19
前へ
/673ページ
次へ
  機体が爆散して、炸裂音をとどろかせる。    爆煙が視界をかすかにかすませたが、残骸となって地に散らばったBSAは完全に機能を停止したらしい。   次の襲来を警戒して、その場でしばらく様子を見ていた2人だったが、今のところ2機目が現れる気配はないようだ。     「当たりだったようだな。 まさかBSAまで所有してたとは……」      ケイトが水路の奥をにらみつけながら言った。     「ケイト、気を付けろ。 こいつは見張りだ。 今ので俺たちのことは知られただろう」     「まあな、しかしこんなに簡単に居場所が割れるなんてな。 よっぽど透明人間に自信があったんじゃねーか? それとも……」      “ワナか”、ケイトの推論を心の中で引き継いで、しぎなは用心深く歩き出した。   と、ナイトビジョンの連動アプリである“ノイズトレーサー”が、何かを検知して視界の中央に四角いマーカーを表示した。     「!?」      しぎなもケイトも、ほぼ同時に踏み出した足を止めた。   ノイズトレーサーは耳で捉える音情報の中から、人や動物が発する作為的なノイズのみを検出する機能。  
/673ページ

最初のコメントを投稿しよう!

139人が本棚に入れています
本棚に追加