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検出したのは、遠ざかってゆく何者かの足音だった。
「追うぞ……!」
しぎなが率先して駆け出した。
しかし、音源までの予測距離メーターがすでに100mを越えている。
たとえフルコーダーのコンビであったとしても、追い付くには少し厳しい数値だ。
逃亡者が本当に目的の人物なのかはまだ分からないが、手掛かりがつかめることを期待して追い掛けるしかない。
分かれ道をマーカーが示す方向へ曲がって、水気のない水路を駆け抜ける。
「!」
次の曲がり角をしぎなが曲がった途端、またしても敵BSAのシルエットが目に飛び込んだ。
それも1機ではなかった。
こちらから確認できるだけでも5機以上、群れをなして襲いかかってきたのだ。
「うっ、まずい!」
ケイトも視認して、驚き声を上げた。
そこからは否応なしに銃撃戦へ突入。
2人のハンドガンとBSAの機銃が火を噴き合って、けたたましく銃声が飛び交った。
「下がれ!」
たまらずしぎなが号を出し、ケイトとともに角際に避難。
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