・第1話〔3〕

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  前にいたほうのケイトが、敵を寄せ付けぬようブラインドファイアで応戦し続ける。   その間にしぎなは壁を背にし、被弾してしまった部位を確認しておく。   リングメイルがしっかりと機能していて、肩と胸と脚に敵弾をいなしたあとが付いていた。    にわかに、目の前を横切る影がある。   扁平なバルーンの形をしたそのシルエットを認めると同時に、コールが舞い込んだ。     『隠れろ! りゅう弾だ!』      通信の相手はカゲだった。   敵陣へ突貫していったのは、味方のBSAだ。     「マジかよ!」      通信の意味を理解してケイトが、めくら撃ちを即座にやめて腕を引っ込める。   直後、耳をつんざく炸裂音が合わせて8度、立て続けに起こった。   爆風と爆煙がこちらまでやって来て、たちまち2人を包み込む。     「ぶっは! ここでやるか、おい」      砂ぼこりにまみれて、ケイトがせきと文句を吐き出していた。   急に辺りが静かになると、しぎなも慎重に首を伸ばして角の向こう側を確認してみる。   ずいぶんと派手なやり方ではあったが、しかしおかげで、敵影はすっかり消えていた。  
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