・第1話〔3〕

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  カゲのBSAが放ったのは、着弾すると弾頭にこめた炸薬が炸裂する、りゅう弾と呼ばれるもの。   何発かは壁や天井をえぐっただけのようだったが、カブトガニだった物は原型をとどめぬほど寸々にちぎれて、地に転がっていた。     『借りは返した』     「返しすぎだろ!」      セクエンスコーポレーションでの意趣返しを遂げて満足げに言ったカゲに、ケイトは頭や服に付いたほこりを払いながらあきれ気味にやじる。   この短時間で駆けつけてきた辺りを見ると、カゲはやはり相当、あの時のことを根に持っていたらしい。     『何があったの!? 報告して!』      あわてた様子の仲里課長が、異変を察して連絡を入れてきた。     「ああ、BSAが襲ってきた。 だがもう、大丈夫だ。 カゲが一掃した」      いくぶん耳鳴りのする耳をかばいながら、しぎなが応じた。   煙が晴れてくると、逃亡者のものと思しき足音が完全に消えていた代わりに、水路の奥の壁に扉らしき物を見つけた。     「おい、あそこにドアがあるぜ。 あれがアジトってヤツなんじゃねーの?」  
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