・第1話〔3〕

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   ハンドガンを油断なく構えたままのケイトが、そちらを睨み付けて言った。   うなずき交わして、2人と1機は互いの死角をカバーしながら先に進んだ。   乾いた泥と敵機の残骸を踏み分けながら、一見すると点検路にでも通じていそうな縦細のドアへたどり着く。   地面に、それほど大きくないサイズの靴あとがいくつも、出入りを繰り返したのであろうと推測できる入り乱れ方で残っていた。     「カゲ、何かがあっちへ逃げた。 追ってくれるか?」     『オーケー』      望み薄とは知っていたが、しぎなは機動力のあるBSAに逃亡者のほうを任せた。   カゲは一言だけ言い置いて通信を切り、ただちに従者を水路の奥へと向かわせた。    しぎなのほうはアジトらしき場所への侵入を試みる。   あわてて逃げ出したためかドアには鍵がかかってなかったので、難無く開扉して中へ踏み入ることができた。   暗視機能で描画された景色は色味が少なく、灰色の壁で仕切られたせまい空間だったが、奥は割りと深そうだ。   しぎなを先頭に歩を進め、戸口に建具のない部屋をいくつか通りすぎ、一番奥まった部屋に行き着いた。  
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