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そこだけ鍵がかかった頑丈そうなドアが設けられてあったので、ハンドガンで鍵を壊してから強引に開扉した。
床とこすれて不快な音を放ちつつ開くと、四角い部屋が現れる。
「……なんだ、ここは」
「うっ、何か腐ってんじゃねーか?」
目に飛び込む光景とあふれ出る臭気に思わず口もとをかばい、しぎな達はどちらも驚愕の声を上げた。
真ん中の一点から放射状に伸びて床にぶちまかれた塗料のようなもの。
四方の壁に刻まれた無数のひび割れ。
天井のすみとすみにカメラ。
いったいここで何があったのだろう。
誰が何をしていたというのだろう。
何かの儀式か、あるいは何かの実験か。
目が捉えた異様な光景に、胸のむかつきを覚えずにはいられなかった。
こんな所で少女は、誰にも見つからぬよう隠れて暮らしていたというのだろうか。
この場所をテロリストたちと関連付けるにはまだ少し早かったが、しぎなはここでとてつもない何かが行われていたのだろうことを予感したのだった。
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