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他に、“voice only”のウィンドウのみを表示する“ボイス通信”や、実物大の交信相手を表示する“アクチュアル通信”といったものがある。
遅れて送り込まれてきた封筒のアイコンは、ドキュメントファイル付きのデジタルメールだった。
「早かったな」
『いや、まだ半分も終わってないんだが、いくつか分かったことがある。
まず、隠れ家に残っていた靴あとの一つと、セクエンス本社ビル周辺に残っていた靴型が一致した。
お前が見たっていう女のもので決まりだそうだ』
受け取ったファイルをしぎなが開いて閲覧し始めると、同時進行でイッサが解説を入れてくる。
「やはり、そうか……」
『もとは水路を合流させるための横穴だったらしい。
工事中に廃止が決まって、そのまま放置されていた所をテロリストたちがいつの間にか隠れ家にしてしまった』
「土木作業までやってたなんてな。
ああ、建築業者がテロリストだったってことか」
判明しているテロリスト達の身元の項に読み至り、しぎなは髪を拭く手を止めて言った。
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