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『どうだろうな、奴らは隠れ家のことを一切しゃべってなかったそうだが、関連は分からない。
それから、隠れ家にあった“あの部屋”だが、何かが爆発したあとだったらしい。
床に付着していた成分の多くは、複雑な化合物が腐敗したものだった。
詳細は最終結果を待たないといけないが』
「それだ。
いったい何が行われていたんだ。
あの空間で……」
『さあな。
考えたくはないが、穴蔵の中で隠れてやらねばならんこと、だろうな……』
そこまで話して、何だか気重になってしまった。
しばらくどちらも沈黙が続き、イッサのほうからいとまを告げられた。
『さて、あとはファイルを読んでおいてくれ。
俺はこれから、板東まさぎのログを調べる』
「ああ、お疲れ。
何かあったらコールしてくれ」
しぎなは物慣れた指付きでチークボタンをダブルタップし、終話した。
ウィンドウが立ち消え、薄暗い部屋に静けさが戻る。
一息ついて、水気を吸収したバスタオルをソファのひじ掛けに投げやった。
「…………?」
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