・第1話〔4〕

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  大企業のシステムに侵入し、同僚のBSAをクラッキングして爆発させ、透明人間にまでなってみせた少女に、愚問だったと悟ったのだ。   互いに出方をうかがい合って、どちらも固まってしまう。   問題は、なぜ今になって接触してきたのかということだろう。     「セクエンスコーポレーションに忍び込んでいたな? テロリストたちを操っていたのか……? 名前は、何て呼べばいい?」     『捜査をやめテ。 私のコトは、ほうっておいテ……』      やはり、少女は抑揚の乏しい、日本語慣れしていない話し方だった。   しぎなは左右に視線を走らせてみたが、違う場所にいるであろう彼女が攻撃してくる様子はない。   安心したというわけではないが、腰を落ち着けても大丈夫のようだ。   いつでも防御体勢が取れるよう警戒したまま、しぎなはゆっくりソファに座った。     「……それで、何が目的だ。 居場所を知られる危険を犯してまで、俺に何をさせたい? まさか本当に、捜査を中止させるなんてことができるとは思ってないんだろう?」     『…………』  
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