・第1話〔4〕

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   どうせまともな答えは返ってこないだろうと睨みつつも、ひとまず質問を続けて腹の内を探ってみる。   相手はしばらく沈黙してから緊張ぎみに深呼吸を行なった。   一つ一つの動作が、いちいち慎重で鈍い。   次の言葉に詰まっていたらしかったが、やがて決心したように告げてきた。     『……言い方を変エル。 私にかかワルと、何人もシぬ、ことにナル。 それデモいいナラ、仕事、ツヅけるといい』     「言いたいことは、それだけか?」      今の少女のセリフは、とてもプロとは思えないほど幼稚な脅迫だった。   “私の中に爆弾が仕掛けられている”。   先日の彼女が言ったことを思い合わせてみても、どうにも狙いが見えてこない。    こちらに脅しが通用しないと理解したのだろう、彼女は横を向いて落胆混じりのため息をついた。   そうして、今度は部屋の中を歩き始め、左右を眺めつつ吐き出すようにつぶやく。     『いいトコロ住んデルね』     「…………」      突然、他愛のない話を少女が始めようとしたので、しぎなは内心ますます困惑してしまった。  
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