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『脅迫してきた?
それだけか、他には……?』
たった1分ほどの間に様々なやり取りをしたように思ったが、取り立てて報告するほどのことはほとんどなかった気がする。
しぎなは息を一つついておいて、面倒な説明は省くことにした。
「ああ、特には……。
しかし、どうやって俺のナンバーを調べたのか……。
ログを呼び出そうにも着信履歴が残ってない」
『なんだそりゃ。
履歴まで消していったってことか?』
「よく分からない。
イッサとの通話後に通信エラーが出たんだが、その直後に少女が……」
『通信エラー?』
何かを思い付いたような声音で、イッサが問い返してきた。
特課メンバーの通信ログは、通信会社と本庁のデータベースに記録されていて、誰が誰と通話していたかが即座に分かる仕組みになっている。
会話の内容までは記録されないが、発信元をたどるくらいはできるはずだった。
『……待てよ、それ、もしかして“トラッピング”じゃないか?』
「トラッピング?
またクラッキングか何かの技か」
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