・第1話〔4〕

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  結局、数分間の奮闘むなしく、すぐに解散となる。    もとの部屋に戻ってしぎなは、どうにも消化不良で気が晴れなかった。   少女との素粒子越しの対話。   それが意味するものを見いだせない。   気が付けば、右上に常に小さく表示してあるデジタル時計が、0時を回っている。    少女が再度接触してくる可能性を危惧して、しぎなは“ハンドシグナル”について書かれたウェブページでも漫然と眺めて過ごすことに決めた。            翌朝。   ずいぶん遅い出勤となったが、警安特課のオフィスには、とえりとケイトの2人のみがいるだけだった。     「よう、しぎな。 あれから女の子は来たか?」     「いいや、全く……」      入室するとさっそくケイトが、自分のデスクから興味津々といった様子で話しかけてきた。   しぎなはまだ寝起きの気分が抜けきれないままの顔で返す。     「私も色々とやってみたのですが、やっぱり追跡できませんでした」      残念そうに言ったのはとえり。   口振りから察すると、ミーティングのあとも少女のログを探るのに骨を折ってくれたらしい。  
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