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今のしぐさが、2人にはどうやらネコが手招きしたように思えたらしい。
「どうした急に……。
面白いから、もう1回やってくれよ」
ケイトにそこまで言われて、しぎなは何だか照れ臭くなってしまった。
もちろん顔には出していないつもりだが、捜査のためとは言え、やってしまったことにわずかな後悔を覚えるしぎなだった。
「でも、それ、ホント、何なんですか?」
未だ半笑いのとえりに問われて、しぎなはしぶしぶ打ち明ける。
「実は昨日、少女が通話中にやったしぐさなんだが、ハンドシグナルでもないらしいんだ……」
「少女が……?」
こちらの言に、落ち着きを取り戻したとえりが興味を示した。
ケイトもからかい笑いをやめて後輩と見交わす。
「ちょっと待って下さい。
それ、ハンドシグナルじゃないかも……」
とえりは言いながら、デスクに座ったまま手指で空中をフリックし出した。
何か検索しているのだろう、彼女はしばらく作業してから調べたものを開示した。
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