・第1話〔4〕

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  しぎなもハンドモバイルをポロシャツの胸ポケットに片付け、映像を目の端に表示させておいて仕事に取り掛かった。    そこからは、3人黙々とデスクに向かった。   昨日までの捜査報告書はまだ出来上がっていなかったし、捜査計画書も作成途中。   刑事というのは書類を作るという作業だけで、一日の大半を費やす。     この日もまた、デスクワークで終始しそうだ。   その間、しぎなは東奈市全域の監視をおこたらなかった。   今、少女を見つけられる可能性があるものは、“これ”だけだ。   ホークアイの映像に少女の姿が写り込むことを祈って、眺めるしかない。    なぜ、暗号めいたやり方で“SOS”などと伝えてきたのか。    彼女の正体は、目的は。   未だ解けない謎に、焦りを募らせるしぎなと特課メンバー。    だが、その瞬間は突然訪れた。   日が暮れて間もなく、ミニチュア都市の1カ所に少女らしき影を観測したのだ。   しぎながアーマリーで、必要なファイルを参照していた時だった。   彼はすぐさまチークボタンに触れて、コールする。     「課長、あの子だ……」      
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