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『いいわ……。
16階以上は事件の影響で封鎖されてるけど、
15階まではすでに営業が再開されてる。
1階のエントランスから入っても大丈夫よ。
回線はつなげておいてね』
課長が不承ぶしょう言って、移動中に強行したブリーフィングを終了した。
ここでいう1階とは、つまり2階のことだ。
しぎなの乗った車が走っている場所が0階、グランドフロアということになる。
なので、目的地に到着するとまず0階ガレージに停車、降車してそこからエスカレーターで1階まで上がらなければならない。
広やかなエントランスへのぼり着き、真っ白い内装のロビーを歩いていけば、受け付けカウンター。
スーツ姿の2人の女性が立っていた。
「ようこそ、セクエンスコーポレーションへ」
声をそろえ、2人ともかしこまって頭を下げる。
「警安特課だ。
テロリストの容疑者が上の階に侵入した可能性がある」
彼女たちがマニュアル通りの対応を始める前に、しぎなから話を切り出した。
1人はこちらの顔を見て驚き、1人は腰にたずさえたハンドガンを見て驚いた。
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