・第1話〔5〕

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  『いいわ……。 16階以上は事件の影響で封鎖されてるけど、 15階まではすでに営業が再開されてる。 1階のエントランスから入っても大丈夫よ。 回線はつなげておいてね』      課長が不承ぶしょう言って、移動中に強行したブリーフィングを終了した。   ここでいう1階とは、つまり2階のことだ。   しぎなの乗った車が走っている場所が0階、グランドフロアということになる。   なので、目的地に到着するとまず0階ガレージに停車、降車してそこからエスカレーターで1階まで上がらなければならない。   広やかなエントランスへのぼり着き、真っ白い内装のロビーを歩いていけば、受け付けカウンター。   スーツ姿の2人の女性が立っていた。     「ようこそ、セクエンスコーポレーションへ」      声をそろえ、2人ともかしこまって頭を下げる。     「警安特課だ。 テロリストの容疑者が上の階に侵入した可能性がある」      彼女たちがマニュアル通りの対応を始める前に、しぎなから話を切り出した。   1人はこちらの顔を見て驚き、1人は腰にたずさえたハンドガンを見て驚いた。  
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