・第1話〔5〕

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   その後もしぎなは、少女とともに逃げてゆくテロリストたちを追走し、チャンスがあれば容赦なく弾丸を撃ち込んだ。   しかしどういう道理か、こちらの弾がかすりもしなければ、あちらの弾までかすりもしない。   加えて奇妙なことに、皆どこかで見たような顔ばかりだった。     『いるのね、6人? また透明になってるのね!?』     「ああ、そうだ、6……人……」      課長の言葉で、ようやくしぎなは何がおかしいのかを分かった気がする。   6人、少女を入れて7人だ。    ふと思い付いて、次の角を曲がる前に、彼はインナーコンピュータのストレージにある一つのファイルを呼び出した。   先日確保したテロリストたち、彼らの証言が書かれたページを開き、確信する。     「課長、どうやら俺もやられたようだ。 通信を切るぞ」     『えっ、何? ちょっと、しぎ……』      仲里課長の声が続いている内にしぎなは、片目を閉じてディスプレイやスピーカーなどのインナーデバイスを即時的にOFFにした。   にらんだ通り、途端に辺りが静まる。     「まさか、同じ手に二度も引っ掛かるとはな……」  
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