・第1話〔5〕

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  しぎなの半分ほどの身長で、両耳を隠す程度に伸びた黒髪、挑発的な三白眼。   幼い姿で油断を誘ってでもいるのか。   暗色の上下に青いオープンシャツという出で立ちは、どこにでもいそうな子供ではあったが。    ただし、ここにはいない存在だった。   見当なら付いている。     「板東まさぎ……」     『ご明察。 まあ、そう呼んでもらって構わないよ』      しぎなが言い当てると、余裕ありげに薄ら笑いを浮かべる板東。   からくりも分かっている。     「ホログラフか、古風だな……」     『僕のものではないよ、ここの社長がしつらえたものさ』      インナーディスプレイをOFFにしていても立体映像が見えるのは、これがプラズマ発光を利用した旧世代の技術だからだ。   円形の装置から空中に投影されているのは当然アバターだろう、生声を加工してあるらしい子供の声は壁に貼り付けられたスピーカーから出ている。   ようようのこと黒幕の登場となって、しぎなの胸にふつふつと怒りが込み上げてきた。     「お前がテロリストたちを操っていたのか。 この子に爆弾を仕掛けてまで、何をさせるつもりだ」  
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