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『爆弾?
あああ、そうだよ、僕が仕掛けた。
君が思ってるような物ではないけどね。
ま、人一人くらい消す威力はあるとだけ言っておくよ』
こちらが凄んでも、向こうはまるで意に介していない様子で返してきた。
銃口と眼光による威嚇が無駄だと悟り、しぎなはハンドガンを下ろして説得に切り替える。
アバター越しの本人はどうか分からないが、どこか芝居がかった鼻持ちならない話し方をする奴だ。
「今すぐ爆弾を解除して、大人しく出頭しろ」
『なんで?
僕は正義を実行してるだけだよ。
何も悪いことしてないけど?』
「お前がしたことで、多くの損害が生まれている。
関係ないとは言わせないぞ」
『だって、テロリスト逮捕させてあげたじゃん。
損害だって保険で充分まかなえるでしょ』
「本気で言っているのか?」
ダークヒーローを気取っているのだろうか。
エラーコーダーを焚き付けて、武器まで持たせておきながら、あくまで罪を認めたくないらしい。
しぎなには理解し難い犯罪心理だ。
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