・第1話〔5〕

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  『爆弾? あああ、そうだよ、僕が仕掛けた。 君が思ってるような物ではないけどね。 ま、人一人くらい消す威力はあるとだけ言っておくよ』      こちらが凄んでも、向こうはまるで意に介していない様子で返してきた。   銃口と眼光による威嚇が無駄だと悟り、しぎなはハンドガンを下ろして説得に切り替える。   アバター越しの本人はどうか分からないが、どこか芝居がかった鼻持ちならない話し方をする奴だ。     「今すぐ爆弾を解除して、大人しく出頭しろ」     『なんで? 僕は正義を実行してるだけだよ。 何も悪いことしてないけど?』     「お前がしたことで、多くの損害が生まれている。 関係ないとは言わせないぞ」     『だって、テロリスト逮捕させてあげたじゃん。 損害だって保険で充分まかなえるでしょ』     「本気で言っているのか?」      ダークヒーローを気取っているのだろうか。   エラーコーダーを焚き付けて、武器まで持たせておきながら、あくまで罪を認めたくないらしい。   しぎなには理解し難い犯罪心理だ。  
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