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“ポートスキャン”検知、
“ノックインシグナル”検知。
見たこともない警告表示が20を越え、同じ数のセキュリティソフトが即座に立ち上がる。
何かの認証を促すウィンドウが自動排除するたびに立ち上がり、不快な連続音を垂れ流す。
視界の一部が暗転しては復活し、モザイクがおおっては復活する。
相手からの攻撃信号に、脳内のコンピュータが必死で抵抗している最中だった。
こういう時は、片目を閉じれば何もかもシャットアウトできると、しぎなは高をくくっていた。
どういう理屈か、インナーデバイスがOFFにできない。
「いい加減に……ぐっ!」
さらなる怒りに声を張り上げようとした矢先、耳の奥をえぐられるような超音波が鳴り出した。
激しい頭痛にしぎなはよろめく。
ひたいを押さえつけながらハンドガンを構える。
当たるを幸い発砲し、壁や天井にあるそれらしき物を破壊してみた。
敵が遮断しているのか、あるいはこの部屋自体が遮断する構造になっているのか、グローバル回線は圏外だ。
とすると、ローカル回線からクラッキングを仕掛けているのだろう。
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