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「ちょっと裕ちゃん、遊んでかない?」
「なんでお前の家で遊んでいかなければならないんだよ」
健二君はいつも独りぼっちの子でした。友達が誰もいません。
ただ、友達は欲しいのです今日もクラスのリーダー格の裕太君とその仲間たちを誘っています。
「僕の家には珍しい発明品があるんだ。そんじょそこらにはない珍しいおもちゃもあるよ」
「でも、健二の家には入っちゃいけないって家の人に言われてるし、楽しいっていっても俺たち外でサッカーしたほうがいいもの。じゃあな。」
健二君は生まれつき体が弱く体育の授業もいつも見学です。
加えて健二君のお父さんは大学でロボット工学を教えている教授ですが、近所では変わり者で通っていて、健二君の評判にも影響しています。最近も家を新築したのですが窓が一つもなく真っ黒でとんがり帽子のような外観という奇天烈なものでした。お父さんいわく未来を先取りしたものだそうです。
しかし、健二君の友達づくりには大きな障害で、近所のお母さん連中を通してからも中井さんとこの健二君と遊んではいけないというおふれが出回ってしまいました。
また、健二君はがっくりして家に帰って家のおもちゃで一人遊びをします。
「健二、気にするなよ」
お父さんは励まします。お母さんは健二君と同じく体が弱く、健二君を産んだ後3年目に死んでしまいました。
学校で生まれつきの虚弱体質と引っ込み思案。家では一人遊びとだんだん孤立していきました。
とうとう健二君は学校に来なくなってしまいました。そこで、担任の前田先生が心配になって健二君の家を訪問しました。
「これはようこそ」
お父さんは歓迎してくれました。
「まあ、まあ、こちらへ」
カタ、カタ、カタ、振り向くとロボットがやって来てコーヒーをいれてくれました。
建物の中に入って驚いたことは中が明るいということでした。しかも普通の蛍光灯の明るさでなく自然のまるで外にいるようなお日様の明るさとぬくもりです。天井にある丸い照明から発せられているようですがまるでミニ太陽です。
さらに植物がたくさん植えてあります、一目しただけでも、数十種類そこに昆虫もよく見ると生息しているようです。
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