6人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
暗闇のなか、だれかが泣きながら助けを求めていた。
そっと声の主に向けて足を踏み出す。
だんだんと姿が見えてきた。
少年たちが円を描くように立っている。
その間には少女がうつむいて座っていた。
助けを求めていたのはこの少女だと直感で分かった。顔は見えないが、泣いているように見えたからだ。
少年の1人が少女が大切そうにしているペンダントを奪い取る。
あれは―――――――まずい。
少年たちは少女を指さし嘲笑いはじめた。
私は慌てて少年たちの方へ走る。が、全然前へ進めない。
あのペンダントは私のだ。つまりあの少女は―――――
少女がゆっくり顔をあげる。
そして憎悪で満ちた目で少年たちを睨みつけた。途端、少年たちが怯む。
まて、まってくれ。だめだ。それを使ってはいけない。それは――――――
少女がヒステリックに叫んだ。
それを合図に地面から黒い糸のようなモノが這い出てきて少年たちを襲いはじめる。
その出来事は一瞬あまりで終わった。
なにが起こったのか分からないまま少年たちはゆっくりと倒れる。
あたりは言葉にすることが出来ないほど酷かった。
無事なのは少年たちの返り血を浴びた少女1人だけ・・・
最初のコメントを投稿しよう!