・第1話 「その一言を求めて」 前編

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そして中に入った女子高生は、 「う、うわぁ~!す、すごい!」 部屋を埋めつくくらい積まれている本に驚きの声を上げた。 それを聞いて、 「ふふ。ここへ初めて入った人はみんな大抵あなたと同じリアクションをするよ。ここもそこまで広くはないけれど話をするスペースは取ってあるんだよ。」 祥子は笑みを浮かべてそう言いながら、話をするためのスペースを指差した。 そして、 「あなたはそっちへお座り。」 と、話をするためのスーペスへ着くとまずは自分が机をはさんで右手側にあるイスに腰掛けながら自分の正面の一人がけのソファに手を向けて女子高生に座るよう言った。 言われた通り女子高生が自分の前に座ったところで、 「じゃあまずは自己紹介かね。まぁ、私の名前は知っているみたいだけど一応ね。津田祥子、『津田古書店』で店長のだ。年齢は内緒という事にしとこうかね。堂々といえる様な若い年齢じゃないからね。」 祥子がまず自己紹介をした。 それを聞いて、 「あ、えっと橋立希(ハシダチノゾミ)です。高校2年で、17歳です。」 女子高生もとい、希も続けて自己紹介をした。
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