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そんな面々に、
「あなた達が何を悲観的な表情してるの。そんな表情を浮かべる資格すらないわよ。今回の一番の被害者は誰だと思う?あそこにいるあの子よ。って言っても私が知っているのがあの子だけであって、他にもいるかもしれないわね。」
祥子はそう言って希の所へ向かった。
「へっ?」
いきなり皆の視線が自分に集まり、部屋に入ってから状況を見ていることがしかできずドアの前に立ったままの希はたじろいだ。
「三浦、原稿は?」
「はい、持ってきました。」
三浦はそう言って原稿の入った袋をテーブルの上に置いた。
それを見て、
「とりあえず全員その原稿を読みなさい。どっちから読むかは三浦に聞きなさい。」
祥子がそう言うと、三浦の指示通り三浦を除くほかの面々が言われた通り原稿に目を通し始めた。
目を通している間、
「希さんごめんなさい。会社のゴタゴタに巻き込んでしまって。」
祥子は希の所へ行き、小声でそう謝罪した。
「それは大丈夫なんですけど私ここにいて良いんですか?」
巻き込まれたことより、この場に自分がいていいものかとそう聞く希。
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