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そんな希に、
「もちろんよ。というよりもいてもらわないと困るの。…正直言うわね。私は希さんを利用させてもらったの。」
祥子は申し訳なさそうにそう言った。
それを聞いて、
「利用?」
祥子の言っている意味が分からずそう聞き返す希。
「えぇ。前々から『楽笑』の編集部がひどくなっているっていうのは聞いていたの。聞いてはいたんだけど、私は一度会社をやめている人間だから特別顧問と言ってもそんなにしゃしゃりでるのはよくないって黙っていたの。でも、希さんが私の所へ来てくれて話を聞いてもう黙って見ているレベルじゃないってわかったの。それでこれは少し痛い目にあわせないと思って。今回の被害者である希さんをここに連れてくることにしたの。被害者本人が目の前にいるのといないのじゃ自分が達がなんてことをしたんだと感じる気持ちの大きさが変わってくるから。」
祥子はそう一気にそう答えた後、
「はぁ、言い訳になるんだけど本当はここまで利用させてもらおうとは思ってなかったの。私が想像していたよりもひどいありさまだったから…って言い訳してもダメよね。嫌な思いさせたわよね本当にごめんなさい。」
祥子はため息を吐きながら申し訳なさそうに再度希に謝罪した。
それを聞いて、
「謝らないでください。というより、私に利用する価値がなるならどんどん利用してください。祥子さんにはどれだけお世話になってると思ってるんですか。むしろどんどん使ってくれって感じです。」
希は特に驚くことも怒ることもなく、笑みを浮かべてそう言った。
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