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今までの祥子の怒り方とは明らかに違うことに戸惑う高宮。
そんな高宮を見て、
「何を戸惑った表情浮かべてるの?私の怒り方が違うと思ってるの?当たり前でしょう。それよりもそんなことを考えているヒマがあるのなら自分のしたことをよーく思い出しなさい。そして自分が編集者としては最低だと認識なさい。」
祥子は冷たい視線を高宮に向けたまま言った。
そして、
「私、今思い出しのよ。高宮、あなた社長の甥っ子なのよね。」
祥子がそう聞くと、
「は、はい。」
高宮は恐怖に押しつぶされそうになりながら返事した。
その返事を聞いて、
「社長から聞いたわ。あなた最初は文芸の方で働きたいと言ってそこへ配属されたのよね。でも、そこに人手が足りてるからって早々に部署移動させられたのよね。」
と高宮へ聞き返す祥子。
それに高宮が答える前に、
「人手が足りてるっていうのが本当だと思ってるの?」
と祥子が続けて聞いた。
「えっ?」
祥子の問いの意味が分からず間抜けな声を高宮。
そんな高宮に、
「みんな直接『うちにはいらない』って言えないからそう言ったのよ。もう何回も部署を変わってるのならうすうす気づいているでしょう。」
と問いかけを続ける祥子。
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