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対して三浦は、
「私たちの監督不足です。高宮の事をわかっていて、見ている『つもり』でいました。私たちが『見れる』と判断して引き受けたのが間違いでした。津田さんにまでご迷惑をかけてしまい本当にすいません。」
言い訳することなく深々と頭を下げてそう言った。
それを見て、
「本来、今言った三浦のセリフは土屋、あんたが言わないといけないのよ。その頭と口は飾りなのかしら?」
土屋に視線を向けてあきれた様にそう言った。
「は、はい。す、すいません。」
土屋も慌てて頭を下げた。
頭を下げる三浦と土屋を見て、
「で、あなたの上司2人が頭を下げてるっていうのに、原因であるあなたは何をボケっとしてるのかしら?それとも何とも思わない?思わないならさっさと辞表を出してここから出ていきなさい。目障りよ。」
と高宮の方へ視線を移した、祥子が厳しい口調で言った。
すると、放心状態で立ち尽くしていた高宮がはっと我に返り、すぐに2人に倣って、
「すいませんでした。」
そう言って頭を下げた。
そんな高宮に、
「あら、えらく素直ね。さっきまでの態度とは大違いだわ。あなたのしたことは何回も言うけれど許されることじゃないのよ。謝ったからと言って希さんの心の傷が癒えるわけじゃないし。・・・出て行けと言って出て行かないってことは辞めたくないということかしら?」
祥子がそう言うと、
「は、はい。」
頭を下げたままそう震える声で返事する高宮。
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