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その祥子の言葉に、
「わかってるよ。俺の前じゃすっごく良い子なんだよ圭祐(ケイスケ)は。それに本が好きだっていうのも小さい頃から知ってる俺はよくわかってる。だから大丈夫だと思ったんだけどな。」
社長は苦笑いを浮かべてそう言った。
それに、
「よく言うわよ。わかってて入れたんでしょう。この子が一般の会社に入社した所で結果は同じよ。それなら自分の手元に置いてどうにかしようとでもしたんでしょう。まわりが迷惑被るのを承知で。」
祥子が怒りを含んだ声でそう言った。
そんな祥子に、
「あっ、バレたか。でも、まわりに迷惑をかける気はなかったんだ。」
社長は笑いながらそう言った。
そして、
「もうちょっと早く動いてくれると思ってたんだけどな。少し当てが外れたんだ。それに俺自身しばらく忙しくて見れなかったんだ。その間にこんなことになってるとはな。その点に関しては本当に申し訳ない。」
笑顔から一変、申し訳なさそうに言った。
それを聞いて、
『??』
社長の言っている意味がわからず祥子以外の3人は首を傾げた。
そして祥子は、
「申し訳ないじゃすまないわ。今回、有ちゃんがいなかったら未来の看板作家を失っていたかもしれないのよ。それでなくても『楽笑』の評価が落ちているっていうのに。どうしてここの部署に押し付けた…。」
怒りを隠すことなく社長をにらみながら言ったがそこまで言った所で、はっと何かに気付いたような表情を浮かべた後、少し考え、
「この子の教育を私に押し付ける気ね。」
嫌そうな顔をしてそう言った。
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