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その祥子の言葉に、
『!!!』
驚き、祥子の方を見る土屋と三浦。
高宮は叔父である社長に視線を向け、社長がニヤッと笑ったのを見てさーっと顔を青くした。
そんな高宮を見て、
「圭祐、お前がうちへ入りたいと頼んできた時に俺は言ったよな。『俺は子供がいないからもしかしたらお前がここの跡継ぎになるかもしれないな。』って。」
社長は高宮に視線を向け、言った。
それを聞いて、
「は、はい。」
そう返事する高宮。
すると、
「それを違う意味で捉えているな圭祐。俺はお前に跡継ぎになることを期待してそう言ったんじゃないぞ。俺がお前を跡継ぎにしたいと思えるくらい成長してくれたらなぁ。ってくらいの軽い気持ちで言ったんだ。はぁ…まぁ、俺の言い方が悪かったんだよな。まわりも勘違いしてるくらいだしな。まったくいらない気ばかり使いやがって。」
苦笑いを浮かべてそう言った後、
「お前の叔父ではなくこの会社の社長としてはっきり言おう高宮。今のままのお前じゃうちの会社には必要ない。」
苦笑いから一変真剣な顔をして言った。
「!!」
自分をすごくかわいがってくれ、いつも笑顔の叔父の社長としての顔に、冗談ではなく本気でそう言っているのだとわかった高宮はいっそう顔を青くした。
そして、
「い、今のままじゃってことは、今の俺を変えればここに、残れるってこと?」
ふりしぼる声でそう聞く高宮。
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