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その祥子の問いに、
「あっ、はい!とても優しく対応してくださいました。それに謝罪も何度も。いえ、それよりも私の作品を読んで、感想とアドバイスがもらえました。それらを参考にもう少し今日持って行った作品を変えてみましょうって言われました。」
希はうれしくてたまらないという風に答えた。
それを聞いて、
(うれしそうに言ってるけど普通の対応だよな。希さんくらいの作品が描けるなら。)
晴海がそう思っていると、
「それはよかったわ。でもそれが普通の対応なのよ希さん。ほかには何か言われた?」
あまりにうれしそうに言う希に祥子は苦笑を浮かべながらそう聞いた。
「はい。もしかしたらもしかしたらなんですけど、変えてみようって言われた作品をデビュー作として雑誌に載せるかもしれないと言われました。」
希は本当にうれしそうにそう言った後、
「あっ、でももしかたらで正式に決まっているわけじゃないんです!」
と慌てて付け加えた。
それに、
「ふふ、そんなに慌てて付け加えなくてもいいのよ。それに大丈夫、自信を持って担当者と一緒に作品を作っていけば良いのよ。あの作品は十分魅力的な作品よ。希さんのデビューにはふさわしい作品だわ。」
祥子は笑いながらそう言った。
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