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その祥子の言葉に、
「ありがとうございます!祥子さんがそう思ってくれていることを裏切らない様一生懸命頑張ります!」
希はそう力強く言った。
その希の姿は初めて会った時のような夢をあきらめなければいけなのかと葛藤していた様子とは比べ物にならないくらい輝き、自信にあふれていた。
そんな希の姿に、
(希さんは本当に強い子だわ。色々な面で。あとはもう任せれば大丈夫ね。というよりも私はもう手助けする必要ないわね。)
と祥子は心の中で思っていた。
そして、
「希さん。」
祥子はそう言って希の方を向き、
「もう大丈夫ね。」
にっこりと笑顔で言った。
それを聞いた希は、
「!!」
驚いて目を見開いた後、
「・・・・・・はい!本当にありがとうございました!」
希は祥子の『大丈夫』の意味を理解し、言葉に詰まってしまったが、そうお礼の言葉を言った。
泣きそうな笑みを浮かべながら。
そんな希に、
「すごく楽しかったわ。希さんのような才能あふれる人に会ったのは本当に久々だったから。あっ、もう会えないとかそういうことじゃないから安心してちょうだい。図書室の方にはいつでもきてちょうだい。作品についてのアドバイスはもうしないかもしれないけれど、普通に世間話くらいはしましょうね。」
祥子は『作品』についてはもう自分は何も言うことはないということを伝えた。
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