365人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう大丈夫そうだね。希さん。」
希が見えなくなった後、晴海が口を開いた。
「えぇ。すぐに出てくるわよ。今から楽しみだわ。」
祥子は本当に楽しみだという様に答えた。
そして、
「希さんの事はもう終わりね。後は編集部に任せないとね。それに私には大仕事ができたからそっちにかかりきりになるわ。」
と言ってニヤリと笑った。
その祥子の笑みに、
「おぉ、こわっ!ついてこれるかな高宮さんって人。」
晴海は身震いしながら言った。
「ついてこれないならそこまで。さようならよ。私は一切甘やかす気はないわよ。」
祥子が冗談ではなく本気でそう言っているのがわかる晴海は、
「まぁね。社長さんも好きにしてくれって言ったんでしょう。」
頷きながらそう言った。
「えぇ。じゃないと引き受けないわよ。そうだ、帰ったら店の横の部屋に運んでおいてほしい本のリスト渡すから図書室の方からとってきてちょうだい。」
祥子がそう言うと、
「了解。」
晴海は了承の返事をして古書店へと車を走らせた。
最初のコメントを投稿しよう!