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ある日の午後。
「こんにちは!お届けものです!」
という声が『津田古書店』に響いた。
その声に、
「はーい。ご苦労様です。」
そう言って晴海が店の奥から出てきて、荷物を受け取ろうとした。
が、
「あっ、これすごく重いんですけど、大丈夫ですか?」
と、晴海を見た宅配のお兄さんは不安そうに聞いた。
それに、
「大丈夫ですよ。」
いつも大量の本を持ち運んでいる晴海はそう笑顔で言い、荷物を受け取った。
すると、
「うぇっ?!!」
「うわぁ!!」
想像以上の重さに晴海は変な声を出し、荷物から手を離してしまった。
それを見たお兄さんはとっさに荷物が下に落ちる前に見事にキャッチした。
そして、
「大丈夫ですか?!」
そう慌てて晴海に声をかけた。
「だ、大丈夫です。すいません。それにしても本当に重いですね。」
晴海がそう言ったと同時に、
「すごい声が聞こえましたけど、何かあったんですか?津田さんが何事だって言ってますよ。」
店の奥から高宮が出てきた。
「あっ、すいません。荷物が予想以上に重くて。あっ、サインですよね?」
晴海は高宮の問いに答えた後、お兄さんの方を向いて忘れていたという様にそう言った。
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