365人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな晴海に、
「いや、あのまだ荷物があるんです。全部運んでからサインをもらいます。」
お兄さんがそう笑顔で言うと、
「ならお手伝いします。台車はいりますか?」
祥子の買った本が大量に配達されることがよくあるため、晴海は慣れているのかすぐにそう聞いた。
「あっ、おねがいします。自前のものもあるんですけど、それだけじゃちょっと時間がかかりそうだと思っていたんですよ。」
お兄さんは『助かった』というように晴海の申し出をありがたく受けた。
「いえいえ。じゃあ、台車取ってきます。高宮さんは先に言って宅配屋さんの手伝いをしててください。祥子さんへの報告もついでにしてくるんで。」
「わかりました。」
高宮の返事を聞いて、晴海は台車を取りに、高宮は晴海に言われた通りお兄さんの手伝いをするため、お兄さんと一緒にトラックへと向かった。
そして、
「………あのあと何箱がここでおろす荷物ですか?」
トラックの中を見た高宮がさっきの晴海の口ぶりから『まさか』とは思いながらそう聞いた。
「えっと、ほとんどがそうです。えっと約50箱くらいですかね。」
お兄さんはせっせと自前の台車に箱を積みながら言った。
最初のコメントを投稿しよう!