・第2話 『欲張っても得することはなし。』

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そんな晴海に、 「いや、あのまだ荷物があるんです。全部運んでからサインをもらいます。」 お兄さんがそう笑顔で言うと、 「ならお手伝いします。台車はいりますか?」 祥子の買った本が大量に配達されることがよくあるため、晴海は慣れているのかすぐにそう聞いた。 「あっ、おねがいします。自前のものもあるんですけど、それだけじゃちょっと時間がかかりそうだと思っていたんですよ。」 お兄さんは『助かった』というように晴海の申し出をありがたく受けた。 「いえいえ。じゃあ、台車取ってきます。高宮さんは先に言って宅配屋さんの手伝いをしててください。祥子さんへの報告もついでにしてくるんで。」 「わかりました。」 高宮の返事を聞いて、晴海は台車を取りに、高宮は晴海に言われた通りお兄さんの手伝いをするため、お兄さんと一緒にトラックへと向かった。 そして、 「………あのあと何箱がここでおろす荷物ですか?」 トラックの中を見た高宮がさっきの晴海の口ぶりから『まさか』とは思いながらそう聞いた。 「えっと、ほとんどがそうです。えっと約50箱くらいですかね。」 お兄さんはせっせと自前の台車に箱を積みながら言った。
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