・第2話 『欲張っても得することはなし。』

4/98
前へ
/238ページ
次へ
それを聞いて、 「5,50!?」 驚きの声を上げる高宮。 そんな高宮に、 「はい、そうです!」 とさわやかな笑顔でお兄さんが頷いた。 そして、 「こんなに重いと台車1台に5箱くらいが限界なんですよね。」 と箱を5箱積み終わったお兄さんがそう続けて言った。 それを聞いて、 「あっ、それ俺が運びます。」 高宮ははっと我に返って台車を受け取った。 が、 「!!重っ!?」 あまりの重さに台車が押しても動かなかった。 そんな高宮を見て、 「大丈夫ですか?やっぱり俺が運びましょうか?」 とお兄さんが心配そうに言った。 「あっ、大丈夫ですよ。思ったよりも重くてびっくりしただけですから。」 高宮はそう言って思い切り力を入れてやっと動き始めた台車を押しながら店の中へと向かった。 向かいながら、 (マジでこれが普通なのか?ありえないだろう、本を50箱分も一気買いって。むしろどんな本なのか気になってくる。) 心の中で出会ったことのない状況に驚いていた。
/238ページ

最初のコメントを投稿しよう!

365人が本棚に入れています
本棚に追加