・第2話 『欲張っても得することはなし。』

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そして店の中に入ると、 「荷物、この隅にまとめましょう。」 台車を持ってきた晴海が高宮に気付き、そう言った。 高宮は晴海に言われたスペースを見て、 「ここだけじゃ置ききれないと思います。あと45箱くらいあるみたいですよ。」 そう言うと、 「えっ!45箱?!」 晴海が驚きの声を上げた。 そして、 「祥子さんの頼んでた本は10箱くらいだって言ってたのに。」 晴海はそう言うと、荷物に貼られている伝票の送り主を見た。 そこには、 『石内朝子(イシウチ・アサコ)』 と書かれていた。 「えっ?石内さんから・・・ちょっと祥子さーーん!」 晴海は祥子を呼びに行こうとしたが、それよりも呼んだ方が早いと大声で祥子を呼んだ。 それに、 「どうしたの大きな声出して。何か間違って届いてたの?」 と答えながら祥子が店へと出てきた。 祥子の姿を確認すると、 「いや、今きてる荷物祥子さんが頼んだものじゃなくて、石内先生から送られてきてる荷物みたいなんだけど。」 晴海がそう答えると、 「朝子さんから…。」 祥子はそう言って荷物を見て少し考えこんだ。
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