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そして、
「ふぅ…何箱くらいあるの?」
と何か自分を落ち着かせるように息を吐いてからそう聞いた。
「えっと、50箱くらい。でしたよね?」
晴海はそんな祥子をじーっと見た後、高宮に荷物の数を確認した。
「はい、そう聞きました。」
高宮がそう頷くと、
「わかったわ。高宮、表に『本日休業』の看板を出しておいて。で、荷物はどこでもいいわ空いているスペースにどんどん置いていって。」
祥子はそう言って高宮の運んできた台車に乗っている箱をおろし始めた。
それを見て、
「無理しないでよ祥子さん。」
軽々と箱を持ち上げる祥子に心配そうにそう言う晴海。
「そんな無理してないわよ。私だって毎日だてに本を持ち運びしてないわよ。…わかってるからそんな目で見ないでちょうだい。ちょっと嫌な予感がしているだけよ。まだその予感が確定したわけじゃないから今は話せないわ。ほら、わかったならさっさと次の荷物取りに行きなさい。」
祥子は晴海に早くいけという様に言った。
「うん。」
晴海はまだ心配そうに見ていたが、台車を押してトラックの方へ向かった。
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